
原理と技術資料をこのページでは提供しています。ロードセルに負荷がかかるとフレクスチャーに貼られた歪みゲージが変形し抵抗値が変化します。この抵抗の変化によって、ホイトストンブリッジの出力電圧が変化します。 印加電圧Eと出力電圧eは比例関係にある為、ロードセルへの印加電圧はそのまま、精度・ノイズ・計測範囲に影響を与えますので、安定した印加電圧をロードセルへ供給できるアンプ、表示器の使用を推奨します。

①e=R1*I1-R4*I2 Al+~Al-間はほぼ電流0の為、
I1=E/(R1+R2), I2=E/(R3+R4)を①に代入
②e=R1*E/(R1+R2)-R4E/(R3+R4)
=E(R1R3+R1R4-R1R4-R2R4)/(R1+R2)(R3+R4)
R2=R2=R3=R, R1=R+△R②に代入
Rより△Rは非常に小さい為、2△Rは無視
e=(R2-R2+△R)/(2R2+2R2+2△R)*E
=1/4*△R/R*E


右のYoutube動画では以下の興味深い技術を紹介します。
・ストレーンゲージとは
・ブリッジ回路構成
・ロードセル耐久性、故障原因
・分解能
励起電圧 Excitation Voltage
- 上記ブリッジ回路、比例式を参照願います。
ブリッジ回路のE(Ex+~Ex-)が励起電圧です。
eとEは比例式で表現されていますので、励起電圧が大きいほど、出力信号は大きくなります。 - 励起電圧の変動が出力に反映されますので、安定した励起電圧が必要です。
- 出力信号が小さく励起電圧1V当たりの電圧mV/Vで表されますので、分解能(最小読値)に影響を与えます。
- 励起電圧は出力信号のノイズを減らすのに役立ちます。
- 励起電圧はロードセルケーブルの限界距離を拡張に役立ちます。
以上のごとく大きな励起電圧が好まれますが、電圧を大きくすると発熱量が大きくなります。
- 励起電圧を大きく:LowProfile最大電圧20 VDCでは、発熱による損失(グラフY軸)は4倍の1143 mWと増大。
LowProfileロードセルは約0.07%感度が低下。 - 励起電圧を小さく: 電圧を5VDCに半減させると、散逸電力は71mWまで熱影響が低下。
LowProfileでは0.02%未満に感度を抑制。 - LowProfileは10VDCを推奨(Max.20VDC)、以下特徴を持っています。
構造が相対的で、温度が全体に伝わりやすく熱変動の影響を受け難い。
負荷を負わないゲージを設置し、回路が寒暖の影響を打ち消します。
Miniロードセルは5VDCを推奨。

ロードセルの主要部品
- フレクスチャー
弾性体 / 負荷におけるたわみ / たわみによりゲージ抵抗が変化 - 歪みゲージ
フレクスチャーの歪み計測
/ ホイストンブリッジを使用してロードセル電気回路を形成 - 電気部品接続
ブリッジ接続 / コネクター / ケーブル接続

ロードセルの構造




大きな定格出力(mV/V) ⇒ 細かい分解能

大定格荷重のロードセルで細かな値まで計測するには、細かな分解能を必要とし、以下の値に依存します。
*ロードセルの定格出力
*励起電圧の大きさ
*ノイズレベル:ロードセル、計測器、周囲環境
左のロケット発射棟では10kNまで計測をしながら、0.25Nまでの分解能を計測します。
ここで使用された計測器は;
LowProfile型:1221-10KN_定格:10kN_出力:4mV
デジタル表示器アンプ出力:10
1) ノイズレベル
ロードセル定格荷重100%時の出力は4mV/V *10V =40mV/V
Interfaceのデジタル表示器は大多数の環境下で 最低出力電圧(分解能)は1 microvolt を表示する為分解能は以下で算出される。
1 microvolt / 40mV/V = 0.000025
10000N(10kN) * 0.000025 = 0.25N

2) 計測器分解能
10000N/2の16乗=0.1525N<0.25Nの為、計測器が16 bit以上の分解能を持っていればOKです。
薄型Low-Profileロードセルは9000kNと大きな定格荷重の機種でも定格出力は4mV/Vと大きく、大きな印加電圧10Vを使用できる為、細かな分解能で計測できます。参考記事はこちらから:


更に、細かな分解能を保持したい場合は、デユアルレンジのロードセル、トルクセンサーが用意されています。

不具合のチェック方法

ユーザーは標準的な抵抗計測器を使用してロードセルに問題がないかチェックできます。
1. 絶縁抵抗のチェック
1-1)絶縁抵抗, 導線のシールド性: 全ての導線に接続し、全ての導線とケーブル内のシールド間の抵抗を計測して下さい。

1-2)絶縁抵抗、ロードセル金属体: 全ての導線を接続し、ロードセル金属体との間の抵抗を計測して下さい。
注意;
*抵抗が標準的な抵抗範囲、約10MΩを超えていたなら、絶縁性能に問題はありません。
*絶縁抵抗を計測する為に、決して50VDC,あるいは,35VRMS_ACより高い電圧を使用しないで下さい。高い電圧の場合、ゲージと本体間の絶縁を破壊するかもしれません。
2. ブリッジ回路_抵抗値のバランスチェック
2-1)必要な計測器
・250~400Ωの計測範囲、0.1Ωの分解能を持った抵抗計測器
・ブリッジの入力抵抗:Ra-dは350±3.5Ω
(全てのLoad Cell抵抗は390 Ω未満です。)
・ブリッジ出力抵抗:Rb-cは350±3.5Ω

2-2)チェック方法・ノーロードで ブリッジ抵抗の均衡が保たれているかをチェックする事
で、ロードセルに恒久的なダメージ要因があかを評価する事ができます。
2-3)計算によるアンバランス値=1.4*(Ra-c-Ra-b+Rb-d-Rc-d):単位はmV/V
2-4)ゼロオフセット_計算式・ゼロオフセット=100*アンバランス÷定格出力_単位
:定格出力の何%
注意:
・ゼロオフセットが20%以上なら、機械的なダメージを受けており修理不可能です。
・オーバーロードの程度が酷くない場合は、ロードセルをユーザー選択において電気的にリセットする事で使用するかもしれませんが、機械的ダメージは復帰しておらず、ロードセルの寿命、破壊的なリスクがあります。
3.出力値をシャント抵抗を使用してチェック;
ロードセル出荷前の校正証明書にはシャント抵抗を使った出力値が記載されていますので、高精度シャント抵抗を購入していれば、その時の値との違いを簡単にチェックする事ができます。
上記ブリッジ回路のad間(機種によりac間)に配線された歪み計測ゲージと並列に、シャント抵抗を配線します。

故障原因、修理
どうして出力エラーが大きくなるのか?
使用状況(主な故障原因);
・オーバーロード(主に長時間、High Cycle試験にて)
・ショック レベルが予想困難
・横荷重:複数の励起源(複合方向)があり予想が困難

対策;
・小型ロードセル/トルクセンサーにはオーバーロード保護機構付きモデルを選択する。
・大きな定格容量モデルを選択しても薄型ロードセルは4mV/Vと出力が大く分解能へ影響小さい。
・薄型ロードセルは他社製に比べ10倍以上横荷重に強い。
故障状況;
・物理的ダメージ、コネクター/ケーブル、その他備品
・悪環境、・不活性ガスシールの破損、・長期間に渡っての出力変化
修理;
ゼロシフト;
1) オーバーロードしたロードセルの典型的な症状
2) 制限範囲ではゼロ復帰可能
3) 制限を超えたゼロシフトは修理不可能
4) オーバーロードモードでブリッジ抵抗が手掛かり
オーバーロード;
1) センジングエレメントの変形
水分/蒸気による故障;
1) 低い絶縁抵抗が原因となっている可能性あり
2) 度々、ドリフト、信号ノイズとして表示
不活性ガスシールの損失(特殊モデル)

修理項目;
1) ダイアフラム交換、コネクターと保護具交換、
ゼロ復帰、不活性ガス除去と充填
2) コネクター交換、ケーブル修理
3) TEDS Self-IDレトロフィット
入荷後、2~3週間(ロードセルの総合評価を含む)
コネクター、ケーブル;交換時には再校正を推奨

計測システム全体での精度改善

プロトコールの決定
試験プロトコル(荷重適用順序)を決定することは、ロードセル誤差の潜在的な要因に関連し重要です。要求精度を満たすために、特別な受入試験を提案する事もあり得ます。
・非線形性 Non-Linearlity
厳格なアプリケーションでは、ロードセルの非線形性を補正することで、総誤差の相当な部分を削減できます。もしできない場合、非線形性は誤差予算の一部となります。

・非再現性 Non-repeatability
非再現性は、ユーザーの信号処理装置の解像度と安定性に本質的に依存します。ロードセルは測定に使用されるフレーム、固定治具、電子機器よりも、はるかに非再現性が優れています。
・ヒステリシス
テストプロトコルにおける荷重シーケンスに依存します。多くの場合、テストプロトコルを最適化することで、測定に不要なヒステリシスを最小限に抑えることが可能です。
ヒステリシスの改善策
1) 大容量のロードセルを使用し、その容量のより小さな範囲で動作できるようにします。
反対モードへの拡張が定格容量のより小さな割合である場合、ヒステリシスは小さくなります。
2)ヒステリシス誤差の小さい材料で製造されたセルを使用します。
3)厳格な仕様を指定し、工場に特別生産の見積もりを依頼してください。
横荷重による誤差を改善
軸方向の荷重は、どれだけ小さくても必ず何らかの軸外な成分が生じます。この余分な荷重の大きさは、機械または荷重フレームの公差、部品の製造精度、組立て調整の丁寧さ、荷重支持部の剛性、および取付け治具の適切さに依存します。
汎用1軸ロードセルは、定格容量内であれば、(Z)軸に沿った歪みと出力値は線形性があります。一方、(X)軸と(Y)軸の剛性は複雑であり、把握が困難です。LowProfileロードセルのように横力感度を最小限とし、更に補正する機構がありません。

主軸出力への軸外荷重のカップリングが測定誤差を引き起こす可能性がある為、横荷重を避ける事が推奨されます。
右図は、エンジン試験で使用される燃料の重量を測定するために、燃料ドラムが試験機定盤上に置かれた状態での典型的なロードセルの設置例を示しています。
クレビスは、そのスタッドを介して支持ビームに堅固に取り付けられます。ロッドエンドベアリングは、その支持ピン軸を中心に回転可能であり、両方向に±10度の回転運動が可能であり、ロードセルの主要軸を中心に回転することもできます。
この自由度は、荷重が試験盤上に適切に中心合わせされていない場合でも、張力荷重がロードセルの主要軸と同じ中心線上に保持されることを保証します。

校正用ロードセル
Interface社ロードセルは以下基準で校正されます。小型ロードセルは2点校正。
Interface標準校正;
1) 引張、圧縮で各5点校正
2) NISTトレーサビリテイの校正機器使用 ANSI Z-540/MIL-STD-45662A;
1) 引張、圧縮で各5点校正
2) A2LA/ISO17025
ASTM E74 Class A;
1) 10点、3回

2) カーブフィット,プロット,係数,最低負荷リミットを含んだ校正証明書
3) A2LA/ISO17025
ISO 376;
1) CLASS 0.5~500 Lbf
1600 Gold Standard (大容量型)、1606 Golden Standard (小容量型)、2200校正用コラなど複数の校正用機種を販売しており、ASTM, E74仕様を満足しています。



校正用ロードセルは以下の点で優れた品質を確保しています。
・フィクスチャーをぴったりと接続
・ロードセルと固定具を頑固に固定可能
・優れた精度を持つ油圧強制機器による組立
・正確な時間での優れたクリープ精度確保
・温度変化、安定した電力、ノイズ管理によるエレクトロニクスの不安定さを削除した上での校正
校正機器選択ガイド
Interface社は、校正グレードのロードセルやトルク変換器、計測器、精密 mV/V トランスファー標準器、校正用アダプター、ジャムナット、ネジアダプター、検証用フレーム、Gold Standard ポータブル校正システム、Gold Standard 校正システム用ロードフレームなど、さまざまな校正機器を提供しています。

補正
| 項目補正 | 意味 | 補正方法 |
| 温度補正 | Zeroバランスと出力の両方を補正 | 標準補正範囲は15°F~115°F (-10~45°C)だが顧客要求の温度範囲で補正可能。低温での補正はInterfaceのみ実行。 |
| Zeroバランス | 無負荷時のロードセル信号_ %RO/deg | 歪みゲージに温度係数と逆になるゲージファクターを持たせるよう歪みゲージ製作を細かく品質管理。 |
| 出力補正 | 規定の温度範囲内での傾き %/deg | 歪みゲージの交換により、温度による影響をフラットに。 |
| クリープ補正 | 一定条件の下で、定格負荷を20分間加えた時の出力変化 | Flexture(湾曲部)に歪みゲージと同じクリープ特性の素材を使用し+0.025%(20分後)のクリープ精度を維持。特注にて歪みゲージの交換しながら±0.010%のクリープ精度を達成可能。 |
温度補正
・温度変化による出力変動の原因:
起歪体(フレクスチャー)の弾性係数の温度変化(鉄系では -0.003%/℃、アルミニウム合金系材料は-0.07%/℃程度)とゲージ率の温度変化差があるからです。


・Interface特徴:
* Interfaceはロードセル素材の温度特性に合った歪みゲージ素材(フォイル)を使用しており、補正抵抗を使用しない為、4mV/Vのような高い出力を可能とし、高い分解能(優れたSN比)を保持します。
この高出力レベルはInterfaceが歪みゲージを細かな仕様に合わせて内製し、温度補正が規定範囲内に入らなかった時は、歪みゲージ回路、及び、配線を交換しながら合わせ込む手間の掛かる作業により達成されています。 Interface設計者による歪みゲージ技術セミナーはこちら。
* 歪みゲージはフレクスチャー材質の弾性係数において温度変化に合わせて補正できるよう設計されている為、温度補正範囲内で仕様書規定通り係数(ゲージファクター)で出力し、Zero Balance Shiftも規定内に収めます。* Interfaceは室温と高温時に温度補正するのははく、最低温度、最高温度で温度補正を行っている為、右グラフの最も下の曲線を得られています。

クリープ補正

クリープとは、ある一定負荷が掛かった後、一定であるはずの値が指数関数的に上昇、あるいは、下降する現象です。
Interface仕様書には20分間、右グラフではA→Bで、M-K分の荷重変化を定格荷重の%で表示しています。荷重を抜き、0から一定荷重を掛けると、再びクリープ現象が発生します。
クリープが上昇するか、下降するかはフレクスチャーと歪みゲージのクリープ率がどちらが大きいかで決まります。右図のようにフレクスチャーは増加し、歪みゲージは減少しますので、この2つ値をできるだけ近づければ、クリープ率は小さく抑えられます。

クリープ現象を補正するには、フレクスチャーのクリープ率と同じ値を持つ歪みゲージを使用する事で補正しており、Interface薄型ロードセルは±0.025%と高精度のクリープ率を持っており、特注にて±0.010%にて提供します。
ゲージの接続_ブリッジ構成
クオーターブリッジ回路
温度補償やモーメント補償が必要ない場合には、クオーターブリッジを使用することも可能です。

ハーフブリッジ回路
ハーフブリッジ接続は、特定の OEM アプリケーション用に設計された低コストのロードセルに使用されます。

フルブリッジ回路
フルブリッジは、ゼロと出力の温度係数を簡単に補正し、モーメント感度を調整できるブリッジです。
フルブリッジ出力はハーフブリッジの2倍、クォーターブリッジの4倍となります。

6線式ブリッジ回路_Sense
接続ケーブルが長いと励磁電圧降下を引き起こします。ロードセルから2本の追加電線を戻すことで、励磁電圧を正確に10VDCに維持します。6線式回路は、電線のドロップを補正するだけでなく、温度による電線抵抗の変化も補正します。計測器にはSense線からの信号を入力し、補正できる機能が必要です。

ケーブル & コネクター
ケーブル長さによる電圧降下
ケーブルが長くなる程、電圧が降下しますが、ケーブルの太さで、降下具合が異なります。
28ゲージケーブルの場合; 0.37% / 10 feet(約3m)の電圧降下 22ゲージケーブルの場合: 0.09% / 10 feet (約3m)の電圧降下

温度による電圧変化
温度変化はロードセル+ケーブルシステムの熱特性に影響を及ぼします。
28ゲージケーブルの場合; 0.0008% / ℉ / 10 feet(約3m)の電圧降下
22ゲージケーブルの場合: 0.0002% / ℉ / 10 feet (約3m)の電圧降下
対策
上項の6線式ブリッジ回路及び、対応する計測器を使用する事で、ケーブル長、温度による電圧変化を補正する事ができます。
ロードセル機種が装着しているコネクターリストです。

材料選定の重要性
重要な検討の1つが、ロードセルを構成する材料の選定であり、以下の材料特性を考慮します。
・荷重・耐久性:鉄は最も大きな耐荷重を提供します。
・ヒステリシス:アルミニウムは最も低いヒステリシスを示し、出力信号の変動を最小限に抑えます。
・環境:ステンレス鋼は耐食性に優れ、過酷な環境に適しています。
・精度:鉄は、高精度の測定に有益となる最大の出力信号を提供します。
・寸法・重量:アルミニウムは最も軽量、加工が簡単で、コンパクトな用途に最適です。
・予算:アルミニウムは最も費用対効果の高い選択肢です。
Interface社は様々な金属から最適なロードセルを製造しています。アルミニウム、鉄材、ステンレススチール、チタン、インコネル、さらにはガラスやカーボンファイバー等があります。右下はシールのみされたロードセルです。


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